建築コストの高騰が続く中、建設業界は新たな技術開発で生き残りを図っています。

 

清水建設は、地震や強風にも耐えられる「3次元曲面ガラススクリーン構法」という画期的な技術を開発し、ビルの外装デザインに革命を起こそうとしています。

この技術のポイントは、規制をクリアしながら補強材を使わずにガラス自体の強度で風圧や地震の揺れに耐える点です。

海外では、曲面ガラスを用いた建築物はすでに数多く存在しますが、日本では法規制が厳格なため、導入事例は多くありませんでしたが、この技術により従来の平面ガラスでは実現できなかった曲面や多面体のデザインが可能になり、これまで以上に自由な発想で建築物を設計できるようになりました。

この技術は、すでに東急プラザ原宿「ハラカド」の壁面に採用され、ガラス細工のような美しい外観を実現し、注目を集めています。

 

また、曲面ガラスの技術としては、2019年に大林組がユニットカーテンウォールを建設現場でねじりながら取り付けるコールドベント工法を日本で初めて施工(「JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE(ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア)」)しています。

 

自由なデザインと高い耐震性は、既存ビルの改修需要にも大きく貢献すると期待されています。

従来の建築物の建て替えではなく、改修によって長く使い続けられるようになることで、資源の有効活用にも繋がっていきそうです。